呼吸する(吸放湿する)断熱材
現場吹抜け発泡ウレタンのお話し
15年程前から流行り出し「呼吸する(吸放湿する)断熱材」だど宣伝文句に踊らされ、13年前に建てた自宅に吹き付けてしまいました。しかも防湿層無しで。
防湿層無しの断熱材は無力です。
これについては、別なブログでたっぷり語っておりますので、よろしければそちらも見てくださいね。
では、この断熱材がどんな仕事をしているのかと言いますと、夏は、より湿度の高い外気の水蒸気を吸い込んでいます。冬は、せっかく加湿した屋内の水蒸気を吸い込んでいます。余計な事をしてくれるんです。よく考えれば当たり前の事なんですが、当時はよく考えず、これは良い!と使ってしまいました。
同じく吸放湿する事が売りの断熱材、セルロースファイバー。発泡ウレタンと同じで余計な事をします。
私、間違っていました。。。
そもそも、断熱材に吸放湿の性能を求めるのは間違っていました。
さらに、冬には加湿すればする程、水蒸気を吸い込み、冷たくなった外壁側で結露します。木材は腐るしカビは発生します。北海道で50年も前に大失敗した事を、自宅でやってしまいました。
そう、私は、建築業界のしくじり先生。
さらに、ウレタンは水分に触れると加水分解と言って、ボロボロになってしまいます。
スニーカーの裏に貼ってある、アレですね、時間と共に水分を吸ってボロボロになってしまうやつです。
ウレタンは水に弱い。
住んでみて、わかったこと
住んでみての感想は、夏はエアコン冷房運転で室温27℃湿度30%(新幹線と同じ)になり快適になりますが、冬は暖房しても我々が推奨する室温23℃湿度50%にはならず、中々快適にはなりません。
断熱材が加湿しても水蒸気を吸い込んでしまうし、さらに結露し断熱性能が低下してしまうからです。
現場吹き付け発泡ウレタンを始めた人は高気密高断熱住宅を熟知されており、柱より盛り上がるように吹き付け、柱面でカットし、防湿フィルムを施工していたそうです。
それにしても、ウレタンを含む多くのプラスチック系断熱材は耐熱限界温度が80℃(フェノールフォームを除く)で、真夏には屋根の温度は85℃まで上がるので、?が付きますが。
我が家は実験住宅です。こんな失敗があるからこそ、今では物的性質、原理原則、やって良い事とダメな事を理解し、正しい住宅造りが出来るようになったのは確かです。
建築家はより良い家造りを目指して投資して実験する必要があると思うこのごろです。
スタジオそら株式会社
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