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建築家になるのが夢だった
私が、ちょうど10歳の時、「家を建て替えよう」と言うことで住宅総合展示場に家族で見学に行きました。 それまで、2DKの平屋に住んでいた私には、どの家もすごく新鮮でした。 中でもMホームさんのフラグシップモデルには衝撃を受けました。大きな吹抜のあるリビングに階段、豪華な設備。 私が建築家を目指すきっかけとなったのです。 小学生の私の趣味は住宅のカタログ、住宅の折り込みチラシの収集、そして間取りを描く事になりました。 13歳の時、近所のおばさんが、家を建てるということで設計の依頼が来ました。 初めての住宅設計!建築家の第一歩です。 もちろん、そのまま建った訳ではありませんが、一部のアイデアは取り入れてもらえました。 1980年代、廊下の無い、いわゆる田の字型プラン(サザエさんの家)から、玄関から入ると廊下と階段があり、そこからLDK、個室、客間へアクセスするといった、欧米型の住宅が大流行した時代でした。
デザイン力を磨いた20代
新卒入社した会社の社長がもっとデザインを勉強しろ!と、建築の基礎と主にデザインを学んで実践した20代。 社内デザインコンテスト、勉強会、海外デザイン研修と、デザインの基礎が身に付きました。 通常業務の空き時間などは研究所に足を運び、デザイン部の部長からデザインの基礎、手法などを学びました。 あれから20年以上経ちましたが、デザインの流行りというものは時の流れと共に変化しましたが、 デザインの基礎、手法は変わりません。 6年務めた会社ですが、5年間、分譲住宅の設計、1年間、注文住宅の設計に携わりました。まだ若かった自分には5年間の分譲住宅の設計をしてきたというのが建築家になったようで気持ちよかった。 身についていくデザイン力を自由に発揮できたからです。 50棟を超える街並みはまるで別世界でした。。。 デザインって大事ですよね。視覚的に入ってくるものですから一番わかりやすい。 空間デザインが良いと、やっぱり心地よく感じますよね。
高気密高断熱住宅に注目し始めた30代前半
1999年(平成11年)住宅の省エネルギー基準に省エネ等級4(次世代省エネルギー住宅)が設定されました。ちょうど、このころ転職をし、高気密高断熱住宅に注目し始めました。私が初めて、高性能な高気密高断熱住宅の設計・施工をしたのが2002年。外張り断熱で防湿フィルムも施工しました。お引き渡し後、顧客様宅を訪問させていただきましたが、今まで造ってきた家とは、まるで別次元の快適さでした。 この後、13年後、「百年の家プロジェクト」と出会うまではこの工法が、コストは掛かりますが、ベストと感じていました。
構造計算を自力で学んだ30代後半と間取りの変化
37歳で、独立起業。 建築設計事務所として新たにスタート。 木造2階建て住宅をメインに仕事をしていましたが、ある日、分譲住宅3階建ての設計の仕事が入って来ました。 建築基準法で構造計算を求められる木造3階建て。 この業界、意匠設計と構造設計は分かれているのが当たり前で、私は構造計算をやったことはありませんでした。 構造計算事務所を紹介して頂き、私はプランとデザインの意匠を担当しました。 作った設計図で構造屋さんに構造計算を依頼しました。ところが、なかなか構造計算があがって来ません。 連絡をしても「今、やってます」との返事。そして、とうとう連絡が途絶えてしまいました。 どうしよう。以前、勤めていた会社の倉庫へ行くと、構造計算のソフトがほぼ新品のまま放置されていましたので、それを借りて自分でトライする事にしました。 誰も教えてくれる人はいなかったので、ひたすら、Cadソフトのマニュアルを読みながら専門書を一つ一つヒモ解きながら、ほとんど独学で構造計算を覚えました。 そんなこんなで、 自分で設計した大空間の家も自分で安全を証明できるようになったのです。 このころ、間取りにも変化が出てきました。「リビング内階段」です。 家に帰ると、一度リビングを通って各個室へ入るというスタイルです。 昔、平屋の田の字型プランも居間から各部屋へ行くという動線でしたから、2階建てになったものの、 生活様式は昔帰りしてきました。ただ単に「リビング階段の家」の設計は、難しいです。 リビングが寒くならないですか?という質問に対して大丈夫とは言えませんでしたから。
最高に高性能な高気密高断熱住宅を習得した40代
2015年、私の家づくりが一変しました。 「百年の家プロジェクト」との出会いです。 「換気扇は何故、上の方に付けているのか?」というような基本的な事から始まり、実験、データ、科学的な根拠で家づくりを考えるのです。30代でベストと考えていた高気密高断熱住宅よりはるかに、省エネルギーで高性能。 もはや、リビングに吹抜と階段を造った方が、快適になるのです。
数年前に建てた自宅。断熱等級4ですが、百年の家プロジェクトとの出会いの前に建てたものですから、失敗だらけ。一例を挙げますと、断熱材には現場発泡ウレタンを吹き付けています。 メーカーから「呼吸する(調湿効果がある)し、気密がとれる」と言われ、防湿フィルム無しで施工しました。 何が失敗かと言いますと、夏は家の中の湿気を吸ってくれるのではなく、外気の湿気を吸います。屋内はエアコンで除湿しているから、当たり前です。 冬はというと、せっかく加湿した屋内の水蒸気を吸い込んでしまいます。思っていた事と、逆の仕事をしているのです。 ですから高気密高断熱住宅と言っても冷暖房コストがすごく掛かってしまいます。
造りたかった家(商品)が完成
10歳で衝撃を受けた家。大人になって行った国内外のリゾートホテルの大空間はそれを超える魅力的な空間でした。 そんな大空間を持つリゾートのような家を造りたい!と、ずっと思い続けてきました。 ようやく40代後半になって、デザイン、構造、屋内環境のノウハウが揃い、造りたかった家(商品)が完成しました。 20年以上、とても多くの時間を費やしました。 国の政策は、2050年には温室効果ガスの排出量を消費エネルキーと作り出すエネルギーで±ゼロにする事です。約30年も先の指標が定められた事は、過去にありません。 現在、日本の家は省エネの観点から見れば、残念ながら、欧米の先進国にかなり遅れをとっています。 スタジオそらには、世界と比較しても最高レベルの性能を持った家づくりのノウハウと、技術があると自負しております。 スタジオそらがご提案する家は、快適で、省エネルギー。ヒートショックの心配も無く、健康で長生きできる最高にお勧めできる家です。 デザイン性にも優れ、居心地の良い家です。 本当に、安心して暮らせる家に住んでいただきたい。そんな思いです。 そして、若い人たちに間違った家造りをしないよう、教えていきたいと思っています。
スタジオそら株式会社
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